ワルツを踊れ

くるり( Quruli ) ワルツを踊れ歌詞
1.ハイリゲンシュタッド HEILIGENSTADT


2.ブレーメン BREMEN

作詞:岸田繁
作曲:岸田繁

ブレーメン 前の方を見よ
落雷の後に人の群れ
ブレーメン 壊れた小屋の中
少年は息を引きとった

クローゼットは丸焦げで
少年の遺したものはみな
要らぬ要らぬと捨てられて
鳴り止んだ昔のオルゴール

楽隊のメロディー 照らす街の灯
夕暮れの影をかき消して
渡り鳥 少年の故郷目指して飛んでゆけ

ブレーメン 外は青い空
落雷の跡にばらが咲き
散り散りになった人は皆
ぜんまいを巻いて歌い出す

そのメロディーは街の灯りを
大粒の雨に変えてゆく
少年の故郷の歌 ブレーメン君が遺した歌

楽隊のメロディー 照らす街の灯
夕暮れの影をかき消して
渡り鳥 少年の故郷目指して飛んでゆけ


3.ジュビリー JUBILEE

作詞:岸田繁
作曲:岸田繁

そう
行かなくちゃ このバスに乗れば
間に合うはず

外はまだまだ 灰色の空
くすんだ窓に指でかいた (花びら)

人はそれぞれの LIFE
新しい場所を探して
でも君とは離ればなれ

陽が暮れて 見えなくなっても
手を振って 夜になっても

ああ さっきから風が冷たい
雲のように 自由になれるはず

失ってしまったものは
いつの間にか 地図になって
新しい場所へ いざなってゆく

ジュビリー
歓びとは 誰かが去るかなしみを
胸に抱きながらあふれた
一粒の雫なんだろう
なんで僕は 戻らないんだろう
雨の日も 風の日も
なんで僕は 戻らないんだろう


4.ミリオン・バブルズ・イン・マイ・マインド MILLION BUBBLES IN MY MIND

作詞:岸田繁
作曲:QURULI

シャボンの泡のよう 決め手は歓び
出ては消え 何度も 埋まらない心を

何度も 何度も 埋めようとしても
満たされないのは なびかない 風のよう

シャボンの涙は 枯れゆく心を
濡らす雨となり あじさいが咲いた

雨粒ひと粒 てるてる逆さま
シャボン玉 飛んでゆけ 雲の隙間に

畝から畝へと影は立ちくらみ
水たまりは希望の光を放つ


5.アナーキー・イン・ザ・ムジーク ANARCHY IN THE MUSIK

作詞:岸田繁
作曲:岸田繁

全然 軽薄で結構
灰や楼をしらみつぶしにして
安っちょろい爆弾抱えては
もぐるもぐる地下の深いところ

全然 場違いで結構
調子はずれのリズムで結構
そこが案外ツボだったりして
クロマチックで這い上がってゆく

ああ ああ

当然 滑る手は真ん中セクシーランジェリーへ
全然 皮膚感のないまま僕の呼吸はずっと乱れっばなし

全然 間違いで結構
ハイやロウをしらみつぶしにして
揺れ動く 心の隙間ちょっと覗いてみて 誰がなんと言う
全然 間違いで結構 五線譜の隙間のお玉杓子
シャープも フラットも ナチュラルも
ホールトーンで這い上がってゆく


6.レンヴェーグ・ワルツ RENNWEG WALTZ

作詞:岸田繁
作曲:岸田繁

左目から涙
右からも涙
大好きだから
僕はいつも いつでも 困るんだ

君は
昼か夜か どっちが好きだと訊くから
僕の答え
何もしない昼と 何かする夜

右足から歩き出したら
地球は重い 空は真っ青
季節はずれの 土曜日の夜
サンダルが濡れた 急ぎ足

君は言う
夜が好きで 朝明け方がいちばん好きだと
僕は言う
大切な時間止めて ララバイ ララバイ


7.恋人の時計 CLOCK

作詞:岸田繁
作曲:岸田繁

時計が刻む チクタクチクタク
一秒の隙間で チクチタチクタク
時計は笑わず チクチタチクタク
一秒の隙間で こっそりと笑っている

時計を気にして いらいら いらいら
一秒の遅刻で いらいら いらいら
時計は止まらず いらいら いらいら
一秒の遅刻を 笑っている

時計が止まった ずらずら ずらずら
一秒も動かず ずらずら ずらずら
泣いているのかい ずらずら ずらずら
一秒も動かず ずらずら ずらずら

時計は 12時 ふんふんふんふん
一秒も待たずに ふんふんふんふん
時計をはずした ふんふんふんふん
初めて泣いてる 顔見たよ


8.ハム食べたい SCHINKEN

作詞:岸田繁
作曲:岸田繁

ハム食べたい あぁ ハム食べたい
桃色のハム食べたい ああぁ
ハム食べたい あぁ ハム食べたい
桃色のハム食べたい

笑顔がきっとほら よく似合う
帽子もマフラーも全部とりな
風に吹かれ冷めたりしないように 頬張って
ほおばってあげる

親知らずが無いからか
食いつき悪いストレンジ・ブルー

すっかり空いたウイスキー・グラス
終電終わって ワンシャワー
笑顔も素っぴん ハムタイム

邪な夢もサムタイム
濃いめの溜め息 エブリタイム

いつも通りベッドに入って
いつも通りそっぽ向いて
寝たふりのまま独り言
テレビのタイマー切れてしまって

蛍光灯の豆球だけじゃ
泣いているのかもわからない
キスはいつでも塩辛い

ハム食べたい あぁ ハム食べたい
ハム食べたい あぁ ハム食べたい
桃色のハム食べたい


9.スラヴ SLAV

作詞:岸田繁
作曲:岸田繁

ヨーロレイヒ ヨーロレイヒ
ヴァイオリンのメロディー

アルコがビッツィカートに

夕立ち 夏の色は 胸の隙間を濡らしながら
コーダ・ノートを掻き消して
長い夕暮れがどこまでも戦ぐ

どうしよう 何もせずに 一寸先なら闇の中 それで
どうしよう カデンツァの指示
一瞬またたき闇の中

空に飛んでった 妄想がぽろり
雲になったまま にわか雨降らす
カイトよ 陽も出ないうちなんて
一寸足りず飛べないまま

どうしよう 何もせずに 一寸先なら闇の中 それで
どうしよう 何もせずに 一寸足りず飛べないまま

空に飛んでった あなたがぽろり
涙こぼしてにわか雨降らす
張り裂けそうだよ 絡まった糸なら
一寸足らず飛べないまま


10.コンチネンタル CONTINENTAL

作詞:岸田繁
作曲:岸田繁

暗くなったら五千万分の一から
六だけ引いて計算すればいい
それを七掛け十二で割って
君たちは泣きながら理解に苦しむ

素知らぬ振りした僕の前に現れた
君たちの声は少しも届かず
何も何も変わってないわと
泣きながら誰の胸に飛び込む

あぁ そっちへ行っちゃいけないよ
あぁ いっぱい約束してたのに

いい加減なもんだ
このままでいいさ(交わらない線の中心で)

出会いと別れの確率宙ぶらりんで

いつからか呼吸も乱れ とぎれとぎれに(午前三時の バスルーム)
割り切れぬものが 溢れ出してゆくだけ(いつからだろう こんなとこまで)
このまま僕らは どこまでも螺旋状の階段(夢の中なら 歩き出せるはず)
昇りきったところで息絶えそうだ(まるい涙が ぽつりぽつり)


11.スロウダンス SLOWDANCE

作詞:岸田繁
作曲:岸田繁

一度だけ抱いてほしいの
つまらんって言って捨ててみたら
息絶えた声でマイダーリン
素敵な夜になる

星のかけらを集めたら
恋のまじない 電気消して
恋のかけら そっと触れて
バス停まで手を振らないで

そのままではにかんで
口づけは明日の朝で

さあもっとつれないこと言って

夜になると終わるよ
朝になれば繰り返す
ビルの合間見上げた空でさえ僕の邪魔をする

君のいない心はもう どこの誰かもわからない
冷ましといた心はもう
干涸びても甘いままでいて

一の歌も二の歌も三の歌も君のものだよ
さあもっとつれないこと言って

ステップ踏んで ゆっくりでいい
雪が溶けるほどの温度で
スロウダンス たった一度きりの


12.ハヴェルカ CAFE' HAWELKA

作詞:Shigeru Kishida
作曲:Shigeru Kishida

夢見るふたりを 包み込むような
コーヒーの泡のミルヒ ぎゅーっと飲み込んだ

ふたりの別れを 知っているかのような
コーヒーの泡のミルヒ そーっと飲み込んだ

紅い薔薇 カーテンの向こう
トイレの目の前で 誰かが君を抱きしめて さらってゆくよ

あなたの匂いは 煙草のけむりに
掻き消されたままでいい そっと振り向いて

夢見るふたりを 包み込むような
コーヒーの泡の中に涙を溶かす

真夜中三時気まぐれな 僕は街を出た
エスプレッソの匂いたてば 心はシュガー

Hawelka
いつものメランジェを飲み干せるなら あぁ


13.言葉はさんかく こころは四角 TRIANGLE

作詞:Shigeru Kishida
作曲:Shigeru Kishida

言葉は三角で 心は四角だな
まあるい涙をそっと拭いてくれ

知らない街角の
知らない片隅で
知らない誰かと恋に落ちるだろう
いつかきっと君も恋に落ちるだろう

繋いだお手々を振り払うように

言葉は三角で 心は四角だな
まあるい涙をそっと拭いてくれ

地下鉄は走ってく 君は髪をなびかせて
君の匂いは ずっと僕の匂い

いつかきっと君も恋に落ちるだろう

繋いだお手々を振り払うように

明るい話しよう
暗くならないうちに
この恋が冷めてしまわないうちに

言葉はさんかくで こころは四角だよ
まあるい涙よ 飛んでゆけ

まあるい涙よ 飛んでゆけ


14.ブルー・ラヴァー・ブルー BLUE LOVER BLUE

作詞:Shigeru Kishida
作曲:Shigeru Kishida

ああこの胸騒ぎ
止められなくても
陽が沈むころ 君のその歌を
思い出せればいい

ああ胸の隙間に
風が吹く夜は
夜が明けるまで 君のこの歌を
思い出せればいい

涙目のまま 灯り落とすまで
踊り明かそう 甘いブルーラヴァーブルー
涙拭いて眠ろう

悪魔の囁き
朝日が昇れば みな忘れるよ
君のその歌を
思い出せなくなる

夢の片隅で
なんだかおぼろげな
思い出のメロディー
君はこの歌を少しだけ歌う

涙目のまま 灯り落とすまで
踊り明かそう 甘いブルーラヴァーブルー
涙拭いて眠ろう

踊り明かそう 甘いブルーラヴァーブルー
涙拭いて眠ろう